悲母臍塚観世音菩薩建立に寄せて
かの悲惨な第二次世界大戦においてたくさんの人々が戦火の犠牲となられました。国のために開拓団から義勇兵となって散っていった少年達におもいを馳せるとき胸は張り裂けんばかりです。いたいけな赤子、幼児を含め、犠牲となった多くの御霊は数知れません。そして、これから成長していく子供達に二度とこのようなことがあってはならないのです。
観世音菩薩は、衆生のために大慈大悲の手を垂れて一切の苦悩から人間を救い、また死者の霊を救ってくださいます。その南無臍塚観音菩薩が、ここにお姿を現されました。
私たちが、母の胎内にある時、命の絆は「臍帯」にあります。この臍帯を観音菩薩の御許に託し、深く仏縁を結びましょう。愛児が無事息災に成長し、世の為人の為に尽くし平和な世界と幸福な人生を築く事を祈念しましょう。そうすれば、必ず御加護があるでしょう。
朝な夕な常に観音菩薩を念ずれば苦しみ障りも除かれて、無量の福徳が集まり来たります。
南無大慈大悲の観世音菩薩。 昭和50年4月 武山宗恵
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